教会に二人の訪問者がいたとしましょう。一人は近辺の教会から一度訪問に来た信徒で、もう一人の訪問者はキリスト教に興味を持ったVIPでした。訪問者の信徒はとても社交的で、皆と楽しく会話を交わす姿を見ると私たちの教会でも良く馴染めそうな人に見えました。その一方、VIPである人は人と話すのが苦手で交わりの時間に戸惑っている様子でした。正直、教会戦力の視点から見れば訪問者の信徒がメンバーに加わってくれるなら何と好ましいことかと考えが先走ることがあります。逆に、このVIPが教会に続けて来ると教会の足を引っ張る存在になるのではと心配することさえあります。 

 マタイ28章の大宣教命令によれば、教会は伝道と弟子作りのために存在しています。ルカ5:31でイエスキリストは取税人や罪人たちと付き合ったとして受けた批判に対して「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人です」と仰っています。イエスキリストが御国のために役立つ働き人を集めようとしたなら、“病人”ではなく、真面目で社交性のある人たちにアプローチされたと思います。しかし、意外なことに、イエスキリストは少し変わった人や社会からは除外され嫌われていた人たちに声をかけられています。これが私たちに何を語ってくれているでしょうか。

 教会に奉仕者が足りない場合、戦力不足だとどうしても“神様、良い奉仕者を送って下さい”とばかり願うようになります。そして、VIPより戦力になれる人が来ることを内心もっと喜んでしまう場合があるかも知れません。しかし、本来私たちがすべき祈りは、“主よ、私たちが主の愛と福音を分かち合うことの出来るVIPを与えてください”と言うものです。奉仕者がある程度そろった教会は戦力を気にするより伝道を最優先することを意識し、またメンバーたちが伝道に一緒に励むことが出来るように訓練すべきであります。今日からVIPたちのために祈っていきましょう。そしてVIPたちを迎え入れられる教会にしていきましょう。

 チョ・ドリュー師

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 「主われを愛す」Jesus love meと言う賛美があります。残念ながら和訳には抜けていますが、最初の二行を英語のオリジナルの曲で言うと「主われを愛す。それは聖書がそう語ってくれたから私はそれを知ることが出来た」とあります。この賛美はどの曲よりも聖書を神のことばとして受け入れる信仰を表すものです。それは、聖書がそう言うのであれば私はそれを本当として受け入れますと言う信仰です。何と純粋な信仰なのでしょうか? 

 使徒の働き17章11節を見ると、べレア(今のギリシャ)にいた信徒たちのことをこう描写しています。「この町のユダヤ人は、テサロニケにいる者たちよりも素直で、非常に熱心にみことばを受け入れ、はたしてそのとおりかどうか、毎日聖書を調べた。」聖書が神のことばであることを信じる信徒はまず説教や聖書勉強に耳を傾けます。しかし、説教者や聖書勉強のリーダーが何かを言ったからそれをそのまま信じたわけではなく、聖書がそう言っているから信じたと言います。この違いは大きなものです。 

 説教者の権威は説教者にあるわけではなく、神のことばにその権威は縛られています。と言うのは、教会の教師(聖書を教える全ての教師)は自分のアイデアを教会に提案する人ではなく、神の代理人の役目を担っているだけです。だから、説教者の使命は神のことばを今の時代を生きる人々が理解出来るように届けると言うものです。皆さんの中には、‘私はこの説教者の言うことはあまり好きじゃない。あの説教者の方が良いな’とか思われる方も少なくないでしょう。しかし、もし、説教者がその聖書箇所を正しく説き明かしているならば、あなたは‘神のみことば’(神の御心)を聞いていることと同じです。

 説教者のスタイルとは関係なく、神が聖書を通して啓示されたことが説教者を通して21世紀の言葉で届けてもらったと思うことが出来ます。だから、説教者は第一にこの聖書箇所が何を伝えているのかを勉強してから講壇に立ちます。そして、私の場合は、説教時間の多くは“what何を伝える”かではなく、“howどうやってこの事実を伝えるか”にあてられます。

 私は皆さんにもっと聖書を神のことばとして見るhigh view of the Bible信仰を持って欲しいと思っています。純粋な信仰とは、“___(誰々)教師がそう言っていたから信じたではなく、聖書がそう語ってくれたから信じた!”と言うものです。ここ100年は学者たちによって聖書の信ぴょう性などが批判されてきた時代でした。でも、聖書は全ての徹底的な検証にも関わらずその信ぴょう性を増して来ました。成熟した信徒はみ言葉を食べさせてもらう人から、聖書を直接読んで自分を養うことの出来る人です。皆さんも聖書信仰を持って一緒に成長していきましょう。

 チョ・ドリュー師

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