ゴールデンウィーク、いかがお過ごしだったでしょうか。まだお出かけ中の方もいると思います。休息は新たな力を与えてくれる機会にもなります。私はGCA関連で何日か韓国へ出張し、いくつかの本を読む時間を持ちました。読んだ本の中に「ロンドンから来た平壌の女」という、北朝鮮出身の呉恵善(オ ヘソン)さんの話にいろいろなことを考えさせられ、320頁の本を1日で読み終えました。
 著者は7年前、北朝鮮の駐英公使だった夫、太永浩(テ ヨンホ)氏と二人の息子と共に韓国へ亡命した脱北者です。彼女はこの本の中で、なぜ自分たちが自由を求めて韓国へ亡命したのか、どうして自分たち家族の話を通して、独裁政権下での壮絶な北朝鮮の日常を明らかにするのか詳細に記録しています。
 彼女は北朝鮮の政権樹立の最大の貢献者とみなされるパルチザン兵士(朝鮮人民ゲリラ)の子として生まれ、平壌外国語学園(中・高等学校)を卒業し、平壌外国語大学の英文科を卒業しました。そして、同じ学校の出身で、外務省で働いていた太永浩(テ ヨンホ)氏を知り合いに紹介され、結婚しました。二人は結婚後、デンマーク、スウェーデン、イギリスに駐在した外交官であり、北朝鮮の平壌出身のエリートでした。
 北朝鮮の特権階級層だけに与えられる利権を味わってきた彼女が、あえて北朝鮮を裏切るようなことをなぜしたのか、疑問を持ちながら私はこの本を読みました。
 著者は、北朝鮮では独裁者である金正恩(キム ジョンウン)一家以外、誰一人も「まことの自由」が与えられていないと言います。互いに違う立場として、違う形の奴隷として、薄氷の上を歩くような日々にただ耐えているだけで、制限された特権階級層は存在していても、まことの自由は存在しない社会だと言いきります。
 西側の国で体験できる自由は一切許さず、むしろ互いに相手を監視して生きているため、抑圧された日常が常識となって機械のように生きているそうです。そのため北朝鮮の社会で生きることは、ある意味罪を犯す生活なのだそうです。
 読み終えた後、まことの主であるキリストと生きる、まことの自由人となった私は、まことの自由に対する尊さをどれほど認識し味わっているのだろうか、歪曲された聖書の知識に縛られ、私に与えられた利権に執着し、ただ人の目を気にする犯罪者として生きていないかと自分自身を振り返る時となりました。

趙 南洙師



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 人間は健康に生きることができるようになり、私たちの寿命は延びました。2022年の調査報告によると、日本の65歳以上の高齢者数は3,627万人(国民の29.1%)だそうです。そして高齢者の5人の内の1人は認知症を患っているそうです。その比率は今も伸びつつあり、やむを得ず年老いた親を施設(老人ホーム)に頼まざるを得ない家庭が増え、皆が精神的に困難を感じているのではないでしょうか。
 以前、認知症の親をもつ家族から「認知症によって記憶力が低下し、私たちの顔もわからないのに、施設を頻繁に訪ねる意味があるのだろうか。会いに行っても何を話せばいいのか、何をすればいいのかわからない。」と悩んでいるという話を聞いたことがあります。重度の認知症の方をケアする施設のあるスタッフが書いた文章が、高齢化社会を生きる私たちにとって励ましになると思いますので、そのポイントだけをシェアさせていただきます。
 「認知症の患者さんの中には怒りっぽく、暴力的な方がいます。そのように行動するのは寂しさと辛さが理由であることが多いのです。誰かが隣にいて、自分が愛されていると感じる時にはそのような行動はとりません。今まで私はそのような行動を一度も受けたことがありません。
 私は認知症の患者さんに、何かをさせようとしたり、説得しようとしたり、治療を強要したりしません。変だと思ったとしても、また失礼なことを言ったとしても、それを正そうとしません。私がすべきことはそのようなことではないと信じているからです。私は毎朝、初めて会った時のようにまず私の名前を言い、「あなたを助けるために来ました。」と伝えます。変な名前で呼ばれても正そうとせず、それが私の名前のように接します。部屋で誰かと会話しているかのようにひとりごとを言っていても「部屋には誰もいませんよ。」とは言わず、ただ傾聴しています。理解できないことを主張をしても笑顔で聴きます。荒唐無稽な思い出を話し続けてもただうなずき、同じ家族の写真を何度も見せられても、まるで初めて見るかのように一緒に見て過ごします。話すことがない時には、ただ手を握って何時間も一緒に窓の外を見て過ごします。
 認知症の方を慰め、励まそうとしないでください。彼らに必要なのは、ただ誰かと一緒にいて、関心を示されることです。あなたのことをわからなくても寂しく思わないでください。相手が誰であろうと、一緒にいて自分に関心を持ってくれる人が隣にいることで気持ちが落ち着くのだと思います。」

趙 南洙師



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