2024年 年間標語 年間標語 「神体験の教会」(詩篇34篇8節)
『悪を悪で返さないのは実に難しいこと』 牧師コーナー(65)
ここ数週間1ペテロの説教シリーズで私は“悪を悪で返さず善で返す”と言うことを繰り返し教会に伝えて来ました。そして、先週の日曜日に教会から帰った時、マンションの駐車場の前で私の信仰は試されました。車を機械式の車庫に入れようとして車を停めて降りたのですが、なんとそのタイミングで私の車が先に車庫の前に来たのにも関わらず次の人が割り込む形で車庫から出庫する操作を始めたのです。ここまでの状況は余裕でした。私は‘何も言わずにゆずろう’と言う気持ちでその人が車を出すのを待っていました。そしたら、なんと隣の車庫に車を入れようとした車が下りて来てうちの車は今出庫しようとする車とその車の間に挟まり動けない状況になってしまいました。そこまではそんなにパニックになる必要はなかったですが、ここからがとんでもない展開になって行きました。上から下りて来た車の運転手が突然私に向かって、“お前、どけ!!邪魔だ!”と興奮した声で叫んで来たのです。
いつもなら割りと忍耐強く待ってくれる人が多いマンション駐車場だと思っていましたが、この日は別だったようです。割り込んで来た人にゆずって待っている私に怒鳴り始める人は車の窓から顔を出しながら怒りをぶつけて来ます。ここで、私も我慢の糸が一瞬薄れました。 私はその人に向かって行き、今私の車がなぜこのように挟まれてしまったのかを話そうとしました。でも、その興奮した相手は冷静にそれを聞こうともせず“近づくな!”(コロナを気にしていたのか、私はマスクした状態で、相手はマスクもしていなかったのですが)を連発しながら“早くどけ!”と叫ぶのでした。数分後出庫した車は出て行き、興奮した運転手も私も駐車を完了した所で私は彼にこう話しかけました。“同じ住民として互いに悪い感情を持つのは良くないので、次からは互いに尊重 (Respect)し合いましょう。” そしたら、相手は、“もうお前とは関わることないから、そんなことも要らないでしょう”と言って歩き去るのでした。
その日、帰ってから私の中には妙に気になる怒りが込み上がって来ました。駐車場でマナーのない人たちが憎いと言う感情が湧いて来たのですが、それ以上にクリスチャンとして相手の怒りを怒りで対抗しない難しさに負けた自分がそこにいたからです。その夜、本音はその人を呪う祈りがしたかったのですが、主の前にその人とその人の家族を祝福する祈りを捧げました。この出来事は1ペテロをシリーズで説教する私に神様が下さった試みでありました。 “ドリュー、あなたは悪を悪で返さず善で返せるか?”と聞かれる主の御声があるかのように、私の足りなさと治めないといけない罪の性質を見せられた出来事でした。この教訓をばねに次は怒りをぶつけられた時は、もっと紳士的に反応出来るように成長したいと願っています。実践はかなり難しいことですが、続けて福音による主の導きがあることを祈ります。
恵理也伝道師