2024年 年間標語 年間標語 「神体験の教会」(詩篇34篇8節)
『性的罪と教会戒規への理解』牧師コーナー(76)
1コリント5:9「私は前の手紙で、淫らな行いをする者たちと付き合わないようにと書きました。10それは、この世の淫らな者、貪欲な者、奪い取る者、偶像を拝む者と、いっさい付き合わないようにという意味ではありません。そうだとしたら、この世から出て行かなければならないでしょう。11私が今書いたのは、兄弟(クリスチャン)と呼ばれる者で、淫らな者、貪欲な者、偶像を拝む者、人をそしる者、酒におぼれる者、奪い取る者がいたなら、そのような者とは付き合ってはいかない、一緒に食事をしてもいかない、と言うことです。12外部の人たちをさばくことは、私がすべきことでしょうか。あなたがたがさばくべき者は、内部の人たちではありませんか。外部の人たちは神がおさばきになります。「あなたがたの中からその悪い者を除きさりなさい。」」
16世紀の宗教改革家の一人ジョン・カルバンが牧会をしていたスイスGenevaにある教会には1542-1609年の役員会記事録が未だに残っているそうです。興味深いことに、記録によれば、その期間教会から戒規(かいき・church discipline)を受けたケース1572件で、性的罪を犯して戒規・指導を受けた男性は636人、女性は538人だといたそうです。教会戒規とは、キリスト教を信仰する者が他人(教会コミュニティに)に対して犯した罪を戒められ悔い改める期間を設けることを言います。戒規の対象にはいろんな罪がありましたが、教会史を見ると性的罪が多かったことが分かります。その罪は、既婚者が他の人と肉体関係を持つことや婚前交渉も含まれます。
今日の教会でも教職(牧師・伝道師)が婚前交渉をしたことが噂されると教職活動を停止させる働きがあります。そして、世界中の例を見ると実際に不倫を犯した牧師は、牧師としてのキャリアが終わるケースも少なくありません。しかし、今日教会に属する信徒の性的罪を戒規することはハードルの高いことです。車の無かった昔、大抵町で通える教会は一つだけでした。その教会コミュニティから除外されることは一生付き合わなければならない重荷でした。でも、交通機関の発達によって、今は近所の教会で戒規されるようなことがあれば、すぐさまよその町にある教会に信徒は異動します。なので、残念なことに信徒がその教会の牧師やリーダーシップを尊敬して信頼しない限り、聖書に反して教会戒規は非常にまれなことになってしまっています。だから、今日の教会の中には不品行が抱擁されていると思われることもあります。
しかし、教会戒規を放棄する教会は世俗化が進み堕落する教会になって行くでしょう。だから、私たちは主の愛と真理を持って性的罪が問題になっている信徒を助け回復させなければなりません。信徒が心の中で情欲を抱くことを教会が戒規することは出来ません。でも、その情欲を実行に移した場合は教会がその純潔を守るために働きかけるべきです。教会は霊的癌である罪と戦う共同体です。だから、私たちの教会のリーダーシップのためにも祈って下さい。愛と知恵を持って教会を正しく導けるように祈りその働きを支えて下さることを願います。