今日の若い世代は、古今東西を問わず、政治社会学的視点から見て、従来の世代よりも相当強いリベラルな傾向があります。これらは教会の中でも見受けられる傾向です。例えば、近代の若者たちは同性愛について、従来の世代よりもかなり柔軟に受けとめる傾向があります。そのため、教会の大人たちの目には、単純な思想の違いではなく、信仰的に深刻な問題を持つ世代のように映ります。しかし、教会はこのような若い世代を諦めてはいけません。そのためにも、教会はもっと近代の若者について学び、理解しなければならないのです。
　最近の若者世代はMZ世代とも呼ばれますが、これは1980年代初頭から1990年代初頭に生まれたミレニアル世代（Millennials）と、その後の1990年代半ばから2000年代初頭の間に生まれたZ世代（ジェネレーションZ）を合わせた表現です。M世代は、アナログを少し経験してからデジタル時代を生きており、Z世代は、完全にデジタル環境に慣れた世代のため、合わせてモバイル世代とも呼ばれています。専門家たちは、彼らの持つ三つの特徴を知らなければ、彼らを理解することは難しいと言います。それは、①デジタルネイティブ、②個人主義、③現在志向的傾向です。
　アメリカのワシントンポスト紙によれば、この世代はアメリカ史上、一番不運な世代と言われています。確かに彼らの一部分の人々は、好景気の絶頂期を過ごしました。しかし彼らの大部分は、いつも不安を感じ、安心して過ごせた経験が少ないと言います。ですから彼らは「不安な青春」または「不幸な青春」を過ごしていると言えるのではないでしょうか。そのためなのか、彼らは自分とは違うタイプの人と関係を築くことが苦手で、その環境に耐えられず、いとも簡単に離職する傾向があります。 　この世代は、職場だけでなく、教会生活からもすぐ姿を消す傾向があるため、周囲の人々をハラハラさせることが多いのです。残念ながら、このような若い世代を見る大人たちの中には、「堕落して信仰が弱まったからだ」と、悔い改めを強要し、強制的に教会生活をさせる傾向があります。
　MZ世代が職場を離れる理由と教会を離れる理由には似た原因が多いそうです。しかし、職場に通勤することと、教会に通うことは全く違います。そうであるならば、彼らが離れていかないようにする方法と目的も違うべきではないでしょうか。若い世代が、教会を離れたのは神様が嫌になったからとはかぎりません。様々な統計を見ると、若い世代が教会を離れた理由は、化石のように頑なな教会の制度が原因だと言われています。今日の教会はどうするべきなのでしょうか。

　趙　南洙師