夫婦はこの世で最も近い人間関係です。しかし聖書は、最も近い関係だからこそ、言葉を慎むよう教えています。エペソ人への手紙4章29節では、「悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むしろ、必要なときに、人の成長に役立つことばを語り、聞く人に恵みを与えなさい。」と勧められています。
 夫婦の葛藤の多くは、大きな出来事よりも、日々の何気ない言葉で小さな傷が積み重なることから始まると言われています。「あなたは昔からそういう人だ」「あなたのせいで苦しい」「ほかの人はそんなことしないのに」「離婚しよう」そういった言葉は、相手の人格や存在そのものを否定する言葉です。ヤコブの手紙3章は、私たちの舌は小さな火であり、大きな森を焼き尽くすほどの力を持つと警告しています。怒りに任せて発した一言が、一生消えない傷になることもあるのです。
 神様は夫婦を、勝ち負けを競う相手としてではなく、「互いに助け合う一つの体」(創世記2章24節)としてお造りになりました。ですから、配偶者を見下したり傷つけたりすることで満足感を得る人がいるなら、それは実に愚かなことです。それは結局、自分自身を傷つけることになります。
 私たちは忘れてはならないことがあります。本当に知恵ある幸せな夫婦とは、まったく争いのない夫婦ではありません。葛藤の中にあっても互いを尊重し、節度ある言葉を選ぶ夫婦です。「ごめんなさい」「ありがとう」「お疲れさまでした」「一緒に祈りましょう」「あなたの気持ちを理解したいです」このような言葉は、関係を回復させる恵みの通り道となります。
 第一コリント13章は、「愛は寛容であり、礼儀に反することをしない」と教えています。無礼な言葉は愛を弱らせ、人を深く傷つけます。しかし、相手を理解しようとする温かい言葉は、愛を育てていきます。
 結局のところ、信仰に基づく夫婦生活の核心は、自分の感情のままに語ることではなく、キリストが私たちに接してくださったように、自らを律し、愛をもって語ることにあります。日々の何気ない一言が家庭を築くこともあれば、壊してしまうこともあるのです。
 相手を理解しようとする愛の言葉を用いる習慣は、家庭だけでなく、牧場の分かち合いにおいても、いつも大切にしていただきたいと思います。人を建て上げる者は、自らもまた建て上げられます。言葉は、その人の人格を映し出すものです。神の御前で配偶者を尊い存在として受け止め、祝福の言葉を選び続けるとき、夫婦関係は単なる共同生活を超え、神の国を映し出す愛の共同体となるのです。

趙 南洙師



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 先天性の脳性まひを抱えて生まれ、話すことも歩くことも不自由であったため、何度も就職を断られたビル・ポーター(Bill Porter)という人物がいました。しかし彼は障害年金に頼るのではなく、自分の力で働くことを望み、ついにある会社を説得して訪問販売員として働く機会を得ました。彼に任されたのは、最も成果が上がりにくい区域でした。それでも彼は、雨の日も雪の日も毎日何キロも歩き、一軒一軒の家のドアをたたき続けました。当初は門前払いされることも少なくありませんでした。しかし、真心のこもった笑顔と誠実な姿勢によってお客様の信頼を勝ち取り、やがて会社一のトップセールスマンとなりました。彼の成功の秘訣は、巧みな話術ではなく、決してあきらめない粘り強さと、相手を尊重する姿勢にありました。
 ビル・ポーターの感動的な人生は広く報道され、2002年には彼の実話をもとにした映画『Door to Door』が制作され、多くの人々に勇気と希望を与えました。彼の物語は、「障害が成功を妨げるのではない。成功を妨げるのは、あきらめる心である」という大切な教訓を私たちに残しています。
 私たちがよく知っている聖書のザアカイも、時代や環境こそ全く異なりますが、ビル・ポーターと驚くほど多くの共通点を持っています。二人とも、人々の目には「欠けのある存在」と見られていました。ビル・ポーターは、脳性まひという障害のために、誰からも成功を期待されていませんでした。一方、ザアカイは背が低く、徴税人という職業ゆえに、人々から軽蔑され、非難されていました。
 しかし、彼らは自分の限界を嘆いて立ち止まることはありませんでした。ビル・ポーターは何度断られても、毎日家々を訪ね歩き、誠実さと親切によって人々の心をつかみました。ザアカイはイエス様にお会いするために人目を気にせず、いちじく桑の木によじ登りました。二人とも、自分の弱さを言い訳にすることなく、新しい道を選び取ったのです。
 さらに重要な共通点は、「人に対する姿勢」にあります。ビル・ポーターは、お客様を単なる販売の対象としてではなく、一人ひとりを心から大切にし、仕えました。その結果、彼は最高のセールスマンとなったのです。ザアカイもまた、イエス様と出会った後、自分の欲を捨て、貧しい人々を助け、不正に取り立てたものは四倍にして返すと決意しました。人を利用する生き方から、人に仕える生き方へと変えられたのです。
 現代では、多くの人が外見や学歴、財産、家庭環境などを成功や幸福の基準と考えています。しかし、ビル・ポーターとザアカイの姿は、人生を変えるのは置かれた条件ではなく、「心の向き」であることを教えてくれます。神は、完全な人を探しておられるのではありません。変えられたいと願い、神に応答する人を用いてくださるのです。

趙 南洙師



 선천성 뇌성마비를 안고 태어나 말과 걸음이 불편했기 때문에 수없이 취업을 거절당 했던 빌 포터(Bill Porter)라는 사람이 있었습니다. 하지만 그는 장애연금에 의존하기보다 스스로 일하기를 원했고, 끝내 한 회사를 설득해 방문 판매원으로 일할 기회를 얻었습니다. 가장 어렵고 실적이 낮은 구역을 맡은 그는 비가 오나 눈이 오나 매일 수 킬로미터를 걸으며 집집마다 문을 두드렸습니다. 처음에는 문전박대를 당하기도 했었지만, 진심 어린 미소와 성실함으로 고객들의 신뢰를 얻어 결국 회사 최고의 세일즈맨이 되었습니다. 그의 성공 비결은 뛰어난 말솜씨가 아니라 포기하지 않는 끈기와 사람을 존중하는 태도였습니다. 빌 포터의 감동적인 삶은 언론을 통해 널리 알려졌고, 2002년에는 그의 실화를 바탕으로 한 영화 「Door to Door」가 제작되어 많은 사람들에게 용기와 희망을 전하기도 했습니다. 그의 이야기는 “장애가 성공을 막는 것이 아니라 포기하는 마음이 성공을 막는다”는 교훈을 남기고 있습니다.
 우리가 잘 알고 있는 성경의 삭개오 라는 사람도 시대와 환경이 전혀 다른 인생이었지만, 빌 포터와 함께 놀라운 공통점을 가지고 있습니다. 두 사람 모두 세상 사람들에게는 부족한 존재로 보였습니다. 빌 포터는 뇌성마비라는 장애 때문에 누구도 그의 성공을 기대하지 않았고, 삭개오는 작은 키에 세리라는 직업 때문에 사람들의 멸시와 비난을 받았습니다. 그러나 그들은 자신의 한계를 원망하며 주저앉지 않았습니다. 빌 포터는 수없이 거절당하면서도 매일 집집마다 문을 두드리며 성실과 친절로 사람들의 마음을 얻었고, 삭개오는 예수님을 만나기 위해 체면을 내려놓고 뽕나무에 올라갔습니다. 둘 다 자신의 약점을 핑계로 삼지 않고 새로운 길을 선택했습니다.
 더 중요한 공통점은 사람을 대하는 태도에 있습니다. 빌 포터는 고객을 단순한 판매 대상으로 보지 않고 진심으로 사랑하고 섬겼기에 결국 최고의 세일즈맨이 될 수 있었습니다. 삭개오는 예수님을 만난 후 자신의 욕심을 버리고 가난한 사람들을 돕고, 부당하게 빼앗은 것은 4배로 갚겠다고 결단했습니다. 사람을 이용하던 삶이 사람을 섬기는 삶으로 바뀐 것입니다.
 오늘날 많은 사람들은 외모, 학력, 재산, 환경을 성공과 행복의 기준으로 생각합니다. 그러나 빌 포터와 삭개오는 인생을 바꾸는 것은 조건이 아니라 마음의 방향이라는 사실을 보여 줍니다. 하나님은 완벽한 사람을 찾으시는 것이 아니라 변화되기를 원하는 사람을 사용하십니다.

조남수 목사