この世界に一人として同じ人はいません。互いに違う背景、環境、気質の人同士が出会って家庭を築いたり、共に仕事をしたりして、社会を造り上げていますが、ある意味でそれは冒険のようなものです。ですから、違う人同士が出会って、問題が生じることで葛藤したりすることも当たり前のことと言えます。

多くの人々は共に過ごしていくなかで葛藤が生じ喧嘩をします。そして、ついには共に生きることを諦め、別れてしまう場合があります。相手に問題があると思うので激しい衝突となり、相手は自分と合わない人間であると勝手に誤解する場合が多いのです。ところが、この葛藤や喧嘩の原因は互いが違う性格や気質であると理解しないことにあります。

たとえば、ある人は一人でいる時こそエネルギーの充電の時と感じます。また、ある人は多くの人々と顔を合わせておしゃべりする事で充電できると感じます。客を迎える数週間前からお掃除をして準備する人もありますが、散らかっている状態でも気楽に客を迎え入れる人もいます。ある人は旅行に出かける数ヶ月前から計画を立てて準備をしますが、海に向かって出発したのに、突然気が変わって山に行きたくなり方向を変える人もいます。互いに違う気質を理解し合うなら、相手の行動を理解することもできます。しかし、もし相手の気質を知らないなら、いつも葛藤と喧嘩が生じて関係が難しくなります。

人間関係のなかに生じる多くの誤解と葛藤、そして対立などは互いに自分とは違う気質を理解できない故に生じる場合が多いのです。ですから、相手の気質と性格の違いを理解しつつ、なぜあんな行動をとるのか考えましょう。そして相手の行動に対して冷静な反応を見せる付き合い方を学ぶなら、隣人との間に生じる多くの葛藤や喧嘩がなくなると思います。

いつか紹介しましたが、私の気質（胆汁質多血種）にも長所と短所が混ざっています。考えてみれば、私の気質のゆえに多くの不便さを感じている聖徒もおられるでしょう。私は牧師ですが、人間的に不完全な者です。それにも関わらず、私の長所を認め、短所は補ってくださる多くの信徒がおられたので、私が主の教会のために働くことができたと思います。互いの気質を理解するなら人間関係が豊かになります。