ソウルで事業が失敗し、地方へ行ったパク・スンシンという人がいます。困難な中で小さなスーパーマーケットを運営することになり、15年間休まずに忙しく働きました。「家族のためにお金をたくさん稼ぐんだ」という想いだけで働き、家族が暮らすマンションも購入することができました。

　お金さえあればうまく行くと思っていましたが、幸せを見い出すことはできませんでした。妻は仕事ばかりしている夫に不満を抱き、友達とのお酒の席に出て行くようになりました。夫婦関係は深刻なものとなり、どうするべきなのか、答えはわかりませんでした。

　そのような中で、近所で中華レストランを運営している天安(チョナン)弟子(ジェジャ)教会の牧者夫婦に出会いました。そのご夫婦の勧めで妻が牧場に参加するようになり、妻は酒飲み友達を遠ざけ、家族をよく世話し、笑顔も多くなるなど、良い姿に変わり始めました。妻の変わった姿を見て、牧場がどんな場所なのか気になり始め、ついに本人も牧場に出席するようになりました。

　牧者の勧めで「いのちの道」の学びをし、一緒に働いている職員たちも神様を信じたら　　良いなと思って、祈りました。この祈りを捧げた後、神様が一つの考えをくださいました。それは、これから職員たちも自分のように小さなスーパーの社長になって、幸せな人生になるように助けることでした。以前は、お金をいくら稼げるかという関心しかありませんでしたが、今は、どうしたら職員たちが祝福されるかと考えて生きています。このようにしてから自分も職員たちも働くことが楽しくなり、職場に活力があふれるようになりました。

　牧場で祈り始めて幾月も経たないうちに、一銭もお金のない職員が社長となって最初の店をオープンする奇蹟が起こりました。感謝なことに2～3年後には投資金を回収することができ、また別の職員たちが社長になるように助けられるようになりました。このような方法で14号店までオープンして独立させることができました。

　事業を始めたときには、クリスチャンは一人もいませんでしたが、今は一緒に働いている同僚の中で自分を含めて4人も教会で牧者として仕えています。14人の社長たちの集いも牧場のように行っています。神の恵みでなければ、到底説明がつかないお話です。